会社法 309 条 決議の成立要件について
定款での引き下げ、加重や剰余金配当、残余財産分配等の定款変更の場合等、細かい取り決めは端折って、原則のみを簡単に記載します。
普通決議
議決権ベースで考えます。
株主の人数は考慮しません。
まず、定足数として、出席した株主が行使可能な議決権が、過半数(議決権の合計が 100 の場合、51 以上)に達している必要があります。
法律以前の当たり前の話ですが、過半数の定義は「半数以上」ではなく「半数を超える」であることに注意してください。
さらに、多数決要件として、出席した株主の投票を母数に考え、議決権ベースで過半数が賛成すれば成立します。
特別決議
議決権ベースで考えます。
株主の人数は考慮しません。
定足数要件は普通決議と同様です。
多数決要件が厳しくなっており、過半数ではなく、2/3 の賛成が必要です。
特殊決議(特殊の決議)
株主の人数と、議決権の両方を考慮します。
定足数の条件が無い代わりに、株主数(人数、頭数)ベースでの要件が追加されています。
すなわち、議決権を行使できる株主の半数以上の賛成が必要です。
例えば、A が 80 議決権、 B が 40 議決権、 C が 20 議決権、D が 10 議決権を持っている場合、4 人株主がいることになるので、A だけの賛成ではだめで、二人以上の賛成が必要です。
多数決要件として、議決権ベースで 2/3 の賛成により成立します。
(80 + 40 + 20 + 10) * (2 / 3) = 100 なので、A と D の二人が賛成した場合、頭数要件(株主の半数以上)は満たしますが、議決権は 100 > 90 =(A の 80 + D の 10) となり満たさないため、この場合不成立です。
創立総会の決議
こちらも定足数の条件が無い代わりに、特別決議よりも更に厳しい条件が設定されています。
まず議決権全体(出席の有無とか関係なし)の過半数の賛成が必要です(頭数ではなく、議決権ベース)
かつ、出席した株主の議決権が 2/3 以上にならなければなりません。
出席した株主の議決権が 2/3 以上となっても、議決権全体の過半数に届かない場合不成立となります。
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