会社法 普通決議/特別決議/特殊決議(特殊の決議)/創立総会の決議

2021年9月9日木曜日

会社法 法律

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 会社法 309 条 決議の成立要件について

定款での引き下げ、加重や剰余金配当、残余財産分配等の定款変更の場合等、細かい取り決めは端折って、原則のみを簡単に記載します。

定足数多数決要件
普通決議出席株主の行使可能な議決権が、過半数に達していること出席株主議決権過半数が賛成した場合
特別決議同上出席株主議決権2/3 が賛成した場合
特殊決議なし議決権を行使できる株主の半数以上(議決権数ではなく、頭数が基準)、かつその株主(出席した株主の、ではない)の 2/3 が賛成した場合
創立総会の決議なし議決権を行使できる設立時株主の議決権の過半数
かつ
出席した当該設立時株主議決権の 2/3 以上

普通決議

議決権ベースで考えます。
株主の人数は考慮しません。

まず、定足数として、出席した株主が行使可能な議決権が、過半数(議決権の合計が 100 の場合、51 以上)に達している必要があります。
法律以前の当たり前の話ですが、過半数の定義は「半数以上」ではなく「半数を超える」であることに注意してください。

さらに、多数決要件として、出席した株主の投票を母数に考え、議決権ベースで過半数が賛成すれば成立します。

特別決議

議決権ベースで考えます。
株主の人数は考慮しません。

定足数要件は普通決議と同様です。
多数決要件が厳しくなっており、過半数ではなく2/3 の賛成が必要です。

特殊決議(特殊の決議)

株主の人数と、議決権の両方を考慮します。

定足数の条件が無い代わりに株主数(人数、頭数)ベースでの要件が追加されています。
すなわち、議決権を行使できる株主の半数以上の賛成が必要です。
例えば、A が 80 議決権、 B が 40 議決権、 C が 20 議決権、D が 10 議決権を持っている場合、4 人株主がいることになるので、A だけの賛成ではだめで、二人以上の賛成が必要です。
多数決要件として、議決権ベースで 2/3 の賛成により成立します。
(80 + 40 + 20 + 10) * (2 / 3) = 100 なので、A と D の二人が賛成した場合、頭数要件(株主の半数以上)は満たしますが、議決権は 100 > 90 =(A の 80 + D の 10) となり満たさないため、この場合不成立です。

創立総会の決議

こちらも定足数の条件が無い代わりに特別決議よりも更に厳しい条件が設定されています。
まず議決権全体(出席の有無とか関係なし)の過半数の賛成が必要です(頭数ではなく、議決権ベース)
かつ、出席した株主の議決権が 2/3 以上にならなければなりません。
出席した株主の議決権が 2/3 以上となっても、議決権全体の過半数に届かない場合不成立となります。

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